出展クリエイター
紙漉き、草木染機織、植物と向き合う仕事を始めて40年になった。 伝統工芸は、次世代に何を伝えようとしているのか。原始布のボロを使ってシート状のモノを作り始めた頃、庶民に文字は普及しておらず、生活用具として紙は使われた。手紙の様な媒体となるのは、ずっと後の事である。そうした時代のニーズに対して、職人さんたちは、見事に対応して時代を乗り越えてきている。近代化が進んだ今の時代に工芸職人である我々は、如何に対応して乗り越えて行くのか。地球の沸騰化という時代である。それだけじゃなく、人が作るとか書くという行為から離れてしまっている。祈りという言葉が気になった。植物の繊維や色を取り出し、先達に習い和紙を漉き、機を織る行為は、祈りの一形態なのだと考えた。実際、世界には、そんな民族や地域もある。 祈るように取り出した繊維と色、植物に回帰して部屋に祀る守護神を作りたい。そんな思いをフェルトアーティストのあかころさんが形にしてくれた。 守護神 SDG‘s the Earth (Super Dragon Guards the Earth) 私たちは、この作品に祈りを込めた。