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出展クリエイター
朝焼けの空、葉擦れの音、虫の翅が放つかすかな煌めき。 やわらかに差し込む木漏れ日、水面のゆらめき。 ふと心を奪われる、ささやかな自然の断片をすくい取り、 銀とガラス釉薬でかたちにしています。 ガラス釉薬を金属に焼き付けるこのエナメル技法は、 紀元前より人の手で受け継がれてきた、繊細で緻密な装飾のひとつです。 19世紀末、芸術と装飾が重なる時代にふたたび価値を見出され、 自然へのまなざしを讃える美術とともに花開きました。 けれど、時代は流れ、工業化とともにその姿は徐々に薄れ、 今では限られた工芸の中に、その名残をとどめるのみとなりました。 Musubibaでは、そんな記憶を丁寧にたどりながら、 虫や植物、空や風といった小さな自然の気配を、 彩り豊かで、日常に寄り添うものとして仕上げています。 手入れを重ね、時とともに馴染ませながら、 少しずつ愛着を深めていただけたなら―― ガラス釉薬の色彩は、何十年先もそのままに、 静かな輝きを宿しつづけてくれることでしょう。 そしていつか、アンティークと呼ばれるその日まで。 あなたの物語とともに、生きて、受け継がれていきますように。